弘前大学菌類標本室 (HHUF) は、1955年、旧農学部植物病理学教室の初代教授照井陸奥生が自らの採集品をもとに整理登録を開始し、その後1962年以降原田幸雄が標本室の拡充に努め、2001年以降は田中和明らが積極的に協力しています。現在の所蔵標本は植物寄生菌、果樹病害菌、樹木枝枯性病害菌、リター菌などを中心に微小菌類25,000点に及んでいます。標本の多くは東北、北海道で採られ、大部分同定済で、北日本の菌類フロラを知る重要な資料として内外の研究者の利用に応じています。
今回HHUF所蔵タイプ標本のData Baseとして、当研究室の歴代スタッフが新分類群(新属・新種・新変種等)の記載報告の際に基準として用いた標本(タイプ標本)を中心にリストを作成し、公開することになりました。本リストが多くの研究者に利用され、わが国の菌類研究の発展に資することを希望します。なおその他の標本についても公開のための準備を進めており、リストの完成次第公開を予定しています。 |