DATABASE >> リンゴ病害 >> りんご輪紋病

リンゴ輪紋病羅病果 (1995. 10/左) と枝のいぼ皮症状 (1994. 8/右)
病原菌 Botryosphaeria berengeriana De Not. f. sp. piricola (Nose) Kogan. et Sakuma
病徴  りんごの収穫期が近づいた熟果に輪紋状の病斑をつくる。発病初期は褐色円形の小型病斑点だが、明瞭な輪紋を描きながら次第に拡大して、大型病斑となり、やがて果実全体を軟化腐敗させる11)
 枝の病徴としては2〜5年生の枝に小豆粒大の隆起したいぼが多数形成される。古くなるといぼは褐変して亀裂を生じ、黒色小粒点の分生子殻が形成される8)。これは従来から知られていたりんごいぼ皮病であり、激発するとこれ自体でりんごを枯死させることもある。いぼ皮病の病原菌は果実に感染し、果実に輪紋病を起こす有力な病原菌であると推定されている11)
伝染   第一次伝染源は枝上に形成されるいぼ皮病の病原菌に由来するものとされている。枝上における胞子の飛散は降雨によって増大するため、6月下旬〜8月下旬が感染の盛期である。果実の生育と罹病性の関係では幼果から熟果までのいずれのステージでも感染するが、幼果に感染した場合は長く潜伏する。本病は25〜30℃ の高温条件で盛んに発病するため、収穫期が近づいた頃、高温だった年には潜在感染しているものの発病が増加し、被害を多くする11)