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リンゴ褐斑病罹病葉 (弘前大学構内 1986. 10)
病原菌 Diplocarpon mali Y. Harada et Sawamura
[分生子世代:Marssonina mali (Henn.) S. Ito]
病徴  葉に発生した場合、はじめ紫色で1mm前後の斑点が生じる。のちに拡大して中心部が褐色、周辺部が黒褐色の明瞭な斑点となる2)11)。病斑上に虫ふん状の黒い粒々 (分生子層) を形成することが特徴である11)。罹病葉は病斑以外の部分も黄変し、やがて落葉する2)
 果実に発生した場合、褐色・円形で、やや凹んだ斑点が生じ、拡大しながら黒色化する11)
 病原菌の子嚢(しのう)世代 (完全世代) は、弘前大学の原田・澤村らにより発見・命名された9)
伝染  病原菌は、罹病葉中において菌糸の状態で越冬する。早春から7月後半にかけ子嚢盤の形成が行われ、子嚢胞子を飛散させる。この子嚢胞子が第一次伝染源となり、6月中旬頃葉に感染する。また、罹病葉上に生じた分生子が、第二次伝染源となり、病気は加速的に増加する2)11)。果実では9月中旬より発病がはじまる2)。本病は、不順天候下で著しく発生し、特に8月〜9月が低温・多雨の時に激しくなる11)