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リンゴゆず果病羅病果実 (王林)
病原菌 Apple fruit crinkle viroid (AFCVd)
病徴  1986年に初めて報告された接木伝染病害であり、本病の発生は今のところ日本だけである1)
 病徴は主に成熟果の表面にゆずの果実表面に似た、多数の細かな凹凸を生じる。幼果の頃は全く異常なく、通常は8月中旬頃より軽い果面凹凸を生じ、成熟とともに次第に明瞭になる。品種によって斑入り、果肉の壊疽、枝幹部表面に粗皮症状を起こす。収穫前落果が多く、樹勢も衰える傾向がある10)
 高温となる8月以降に発現し、夏季低温の年には病徴発現が抑制される1)。これはウイロイドによる病害で、ウイロイドとはウイルスよりも小さく現在知られている最小の病原体である。ウイロイドはRNAのみからなり、ウイルスのように蛋白質の外殻を持たない。
 分子構造 (371塩基) が明らかになったことから、迅速で高感度の診断法が開発された。
伝染  接木で伝染する。春先に罹病穂木を高接ぎすると、通常2〜3年後には高接ぎ部の近くの果実が発病し、次第に樹全体に広がる。罹病樹は見つけ次第、伐根する。品種更新時には無毒の穂木、苗木をそれぞれ使用することが重要である。