2021年01月12日 | トピックス

弘前大学農学生命科学部は,令和2年12月16日(水)に令和2年度戦略1プロジェクト成果公開事業の取組の一つとして青森県産業技術センター農林総合研究所を訪問しました。

戦略1事業においては,青森県との緊密な連携を強化するために,地域の研究機関である青森県産業技術センターとの連携を進めており,令和2年度は,各研究部会のリーダーを中心に,産業技術センターの各研究所を訪問し,相互の事業説明や意見交換を通じて,地域の課題解決に向けた研究交流を行っているところです。

今回は,農林総合研究所の主な取組として,労働力不足の解消のための省力化栽培やICT活用による付加価値創出,温暖化対応の栽培技術や育種などが課題であることや,第3期中期計画(R1~R5)における現在の状況について説明がありました。

青森県産業技術センター農林総合研究所及び弘前大学の代表者による挨拶の様子

 

作物関係では,高度密植の栽培マニュアルを作成し,青森県への高度密植導入を促進することや乾田直播における雑草防除に向けて,ダイズ栽培での雑草であるツユクサの防除体系に取り組んでいること,ウイルス軽減のために畑から水田への転換を行う輪作体系の推奨をしていることについて説明がありました。

作物関係の説明の様子

 

育種関係では,つがるロマンに変わる新たな品種育成のための系統選抜の状況や,付加価値をつけた巨大胚や低アミロースなどの品種育成とともに,飼料用イネの育種に取り組んでいる
ことについて説明がありました。

育種関係の説明の様子

病害虫関係では,メロンにおける炭腐病とともにメロンホモプシス病への対応が課題であること,水稲高密度播種育苗時における細菌叢の変遷とそれらに対応するための防除技術の開発や検討中の研究内容などについて説明がありました。

病害虫関係の説明の様子

意見交換では,個別の栽培圃場における土壌管理指針の作成などにドローンを活用した画像解析サポートなどを期待していること,新たな栽培技術に応じた土壌中の菌層の推移などの解析において弘前大学の解析機器を用いて協力できる可能性があることがわかりました。

また,花卉園芸の育種について,現在の消費者ニーズの多様化を探るために,食農経済関係の教員による市場動向の解析や要因解析の必要性について議論が行われました。

農林総合研究所とは,令和3年3月に弘前大学側の技術紹介と意見交換を行う予定です。

意見交換の様