附属施設

弘前大学農学生命科学部附属 生物共生教育研究センター

弘前大学農学生命科学部附属生物共生教育研究センターは、藤崎農場、金木農場の2農場を核とするフィールドサイエンス教育および研究の拠点施設です。

青森県の基幹産業である農業を教育・研究の両面から活性化し、地域の優れた人材、資源、技術そして環境を地域から日本全国へ、そして世界へと発信していきます。

藤崎農場

弘前市の隣、藤崎町にあります。世界的なリンゴ品種‘ふじ’ はこの地で育成されました。リンゴをはじめ、蔬菜、花卉など、園芸作物を中心とした実習・研究を行っています。地域住民との結びつきを大切にしながら、気候変動など地球規模で発生する問題にも対処できる研究を行っていきます。また、次世代を担うリンゴの育種にも取り組んでいます。

(園芸分野)

金木農場

津軽半島の中央、五所川原市金木町にあります。作物と畜産を組み合わせた循環型農業を実践する中で、実習教育とフィールド研究を行っています。作物における環境ストレス耐性機構解明や植物による汚染土壌の浄化、地域ブランドを目指した弘大アップルビーフ生産技術開発の研究を行っています。また、親子体験学習など自然環境に関する地域教育活動にも力を注いでいます。

(作物分野、畜産分野)

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弘前大学農学生命科学部附属 遺伝子実験施設

本施設は弘前大学における遺伝子実験に関する研究・教育の充実と発展をはかるための学内共同研究施設として平成5年4月に設置されました。また、これに伴い施設業務遂行の場として平成8年6月、鉄筋コンクリート4階建てのP1~P3実験室・放射線同位元素実験区域を備えた建物が文京町構内に竣工しました。平成23年度からは農学生命科学部附属施設となり、植物・動物・微生物の基礎研究・応用研究を行う場として利用されております。

主要設備

  • 超純水製造装置
  • TTGEコンプリートシステム
  • CO2インキュベーター
  • 高速液体クロマトグラフィー装置
  • フラクションコレクター
  • 人工気象器
  • クリーンベンチ
  • 安全キャビネット

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弘前大学農学生命科学部附属 白神自然環境研究センター

弘前大学農学生命科学部附属白神自然環境研究センターは、世界自然遺産にも登録されている白神山地を中心に、青森県や北日本の自然に関わる下記の4部門についての教育と研究を推進することを目的とした附属施設です。コラボ弘大内の研究室のほかに、西目屋村川原平地区には白神自然観察園もあり、研究のほかに実習や演習にも活用されています。

これらの成果を世界に発信しつつ、周辺地域にも自然の情報を提供して、環境教育や人材育成を通じた地域貢献も行っていきます。

【植物部門】

典型的な多雪地域である白神山地において、地球温暖化など地球規模の環境変動がもたらす様々な影響を、植物群落や個体群などの複数のスケールで解明します。また、植物標本を収集しつつ、群落記載などの現状把握も行います。さらに菌類を中心に、有用資源の発掘からその利用も行い、これらの研究成果を地域貢献へとつなげます。

【動物部門】

白神山地の動物相解明を目標とし、動物標本のリファレンスコレクションを構築し、インベントリー(目録)を作成します。また、ロシア沿海地方、中国吉林省長白山、各種ブナ属自生地など旧北区の温帯• 亜寒帯極相林の動物相について比較研究を進めます。東北地方における動物分類学• 生態学の拠点形成をめざし、関連する動物学研究団体への支援、研究活動への協力を行います。

【気象•地象部門】

白神山地のブナ林では、今後の地球温暖化により気候が変化して、今世紀の終盤にはブナ林が絶滅の危機に晒されるという予想すらあることから、白神自然観察園において年間を通した気象観測を開始しました。また、白神山地特有の地滑り地形や土壌、水質・水循環の研究も行っています。

【教育•文化部門】

白神山地周辺は、縄文時代以降に継続して、豊かな自然とともに人々がくらしてきた地域であり、環境への負荷を最小限にし、自然を利活用する文化が育まれてきました。これらの文化には「自然環境との共存」という全人類の共通課題を解決するヒントがあることから、その記録と科学的側面からの分析を行っています。また、白神山地を舞台に未来を担う子供たちへの実践的な環境教育を提案し、世界に向けて発信します。

白神自然観察園

世界自然遺産の青森県側の入り口である暗門地区から東に約3kmに位置し、大学キャンパスからは車で40分ほどの距離にある西目屋村川原平地区に位置します。18ヘクタールの敷地にはミズナラやブナなどから構成される二次林とスギ・カラマツの造林地等が分布し、教育研究棟も設置されています。これらを活用して、各種の実習、演習のほかに卒業・修了研究等も実施できます。

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地域資源利活用研究センター

ミッションの再定義が策定された現在、地域生物資源を活用した産業活利活用センターイメージ2.pdf性化に積極的に参画し地域経済の発展に貢献することは農学生命科学部の大きな責務の一つである。本センターは、大学の付属教育研究センター見直しを受けて、これまでに行ってきた「白神研究」、「リンゴの科学」、「ナマコ研究」、さらに「津軽地域の未開発遺伝子資源の有効活用研究」を統合し、地域研究をさらに発展しようというものである。

本研究センターでは「微生物」、「農産物」、「海産物」、「畜産物」を横軸とし、「新種・新規物質探索」、「有用性の開発」「科学的エビデンスに基づく機能の付加」、「品種改良・栽培法・飼料開発」、「市場調査・輸送法研究」、「ブランド化研究」といった研究ステージを縦軸に考え、教育研究を展開する。また、青森県産業技術センターや中国延辺大学、タイ王国コンケン大学の研究チームと年に一度の共同シンポジウムを開催し、共同研究を推進することにより、地域とのマッチング、さらに研究展開の国際化を図る。青森県と共同研究を測ることは、自治体による経済的支援及び、本学の目指すCOCの視点から重要と考えている。

本研究センターでは、地域を代表する産物の更なる高価値化のみでなく、潜在あるいは未流通の遺伝子資源にその有用性などを科学的知見に基づき付加することで本学の知的財産の構築すること、それらの商品化などを通して地域経済の発展に貢献すること、さらに、上記研究領域における学生の技術者としてのスキルアップを実現、高度技術者として地域企業へ学生の輩出すること等を第一の目標としている。

研究展開の紹介

【微生物】

弘前大学の位置する津軽地域は豊かな自然に囲まれ、また未開な白神地域を中心に豊富な未知の遺伝子資源の存在が期待される。さらに寒冷な気候も合わせて、本地域の微生物二次代謝物には特異且つ新規な有用物質が潜在している。また本学農学生命科学部には合わせて3新科、11新属、65新種を含む4500株以上の生態学的に興味深い微生物のコレクションがある。これまでの研究では、本コレクションには極めて高い確率で新規二次代謝物が見出されており、これらの生物活性、薬理活性などを明らかにし、本学知的財産を構築する。また、コレクションの更なる充実に努め、ケモタクソノミー的視点から新たな微生物学を展開する。

【農産物】

まず、津軽地域の代表的農産物は「りんご」である。メンバーの一人である松本らはリンゴの新たな商品価値を見出すべく果肉の赤いリンゴ「紅の夢」を開発し、地域生産者の期待が高まっていることは言うまでもない。今後、効果的な栽培法は言うまでもなく、加工法や流通などの点から経済価値の更なる付加を検討する。端境期における高品質リンゴの開発など、リンゴ研究には終わりは見えない。また、本地域特有の「清水森ナンバ」「野生カタクリ」など本研究センターの目指す題材は尽きることが無い。一方、米ぬかなど農業廃棄物の有効活用は経済的のみならず、カーボンリサイクルの視点からも大学研究として重要である。既に米ぬかの米粉パンへの利用など、本チームでは研究が展開されている。また、現地点では経済的に負と考えられる五所川原地域の葛などに機能付加をすることができれば、地域経済に果たす役割は大きい。農産物では土壌の製品の品質に与える影響は大きい。そこで、土壌改良、肥料開発なども同時に展開する。

【海産物】

本地域の「ナマコ」は高品質でその評価は世界的にも高い。しかし、乱獲によるナマコ資源の減少、国内生産品のほとんどが中国への輸出に回り国内消費がほとんど無いなどの課題がある。本学部ではこれまで積極的に「ナマコ」の増養殖、機能性成分や市場流通の研究に取り組み、地域からも高い評価を受けている。本研究センターにおいても中国海洋大学、中国揚州大学、大連海洋大学などと連携を行い引き続き研究を行う。また「ツルアラメ」研究では、これまで経済的価値はないとされてきたが、本学研究により商品価値が見出され、いくつかの製品も生み出されている。一方、「ホタテウロ」、「シジミ貝殻」のように経済的には負の要素が高い。

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