教員紹介

地域環境工学科 農業土木コース・農山村環境コース

遠藤 明 教授

ENDO Akira

専門分野:
農地環境工学

  • キーワード:
  • リンゴ園地
  • ナガイモ畑
  • 物質移動
  • 暗渠排水
  • 窒素循環
  • 土壌水
  • 除塩

研究内容

近年、地球温暖化の急速な進行に関連して、青森県内でも局地的集中豪雨が多発するようになりました。このような大雨が継続して農地に降り注ぎますと、極度の土壌侵食に加えて、排水不良の水田転作畑の冠水、ナガイモのトレンチャー溝の穴落ち、土壌中の栄養塩類が一挙に溶脱するなどして、農地の土地生産性と労働生産性が低下するだけでなく、周辺の環境に対しても負のインパクトを与えてしまいます。当研究室では、積雪寒冷地域に位置する青森県の基幹農作物であるリンゴとナガイモの畑地を対象に、「生産面と環境面の双方の観点から推奨できる自然災害に強い農地管理技術は如何にあるべきか?」という、生産者の切実な問題に対して、農地工学や環境物理学の視点から解決を試みています。具体的には以下①~⑧について研究を進めています。

① 黒ボク土のリンゴ園地における休眠期間~休眠打破直後にかけての土壌間隙水質の特徴
② 中粗粒灰色低地土の無施肥リンゴ園地における土壌理化学性の経年変化の把握
③ 礫質褐色森林土のリンゴ園地における土壌水分移動特性と物質移動の関係
④ 高温・高CO2濃度環境下のリンゴ群落土壌における物質移動の特徴
⑤ 黒ボク土の水田転作畑おけるナガイモ栽培中の排水効果の検証
⑥ ナガイモ栽培中におけるトレンチャー溝の穴落ち機構の解明
⑦ 砂丘未熟土のナガイモ栽培中における窒素溶脱のモデル化
⑧ 津波被災農地の除塩および地下水水質の長期観測

3年生後期に研究室配属される2~4名の学生は、月に2~3回のゼミ・現地調査・室内試験等を通じて、卒業研究や修士論文研究を進めていきます。最近の卒業研究では、青森県内のリンゴ園やナガイモ畑のフィールド調査だけではなく、畑土壌の理化学性を把握するための室内試験・数値解析を通じて、農地土壌中の物質移動現象への理解を深めています。弘前大学は地域の活性化に貢献している大学です。このため、当研究室でも青森県内の農業の活性化に寄与するため、主要農作物を作付けする「農地」を対象に研究を行っています。特色としては、生産者・県担当者・農協担当者と接する機会が多く、指導教員以外の専門家からも学生がフィールドで様々なことを学ぶことができます。卒業後にもっと研究したい人は大学院修士課程に進学し、専門分野の学修を通じて自身で納得するまで研究を行うことができます。青森県内や世界の農地の諸問題の解決に向けて一緒に研究しませんか?

弘前市内のリンゴ園における土壌水分計測の様子(2017/01/28)

弘前市内のリンゴ園における土壌水分計測の様子(2017/01/28)

弘前市内のリンゴ園における土壌間隙水採取の様子(2016/10/08)

弘前市内のリンゴ園における土壌間隙水採取の様子(2016/10/08)

十和田市内のナガイモ畑の土壌調査の様子(2017/05/20)

十和田市内のナガイモ畑の土壌調査の様子(2017/05/20)

収穫時期の鶴田町内におけるリンゴ園での土壌間隙水採取の様子(2016/10/22)

収穫時期の鶴田町内におけるリンゴ園での土壌間隙水採取の様子(2016/10/22)

2024年5月8日 更新
このページのトップへ戻る