2023年11月10日 | ニュース

農学生命科学部及び附属白神自然環境研究センターは、白神山地が世界自然遺産に登録され今年で30周年を迎えることを記念し、11月4日(土)、弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて講演会を開催しました。

当日は、青森県知事 宮下宗一郎氏によるビデオメッセージの挨拶をいただき、続いて、「自然に学ぶ」をテーマに3名の先生による講演を行いました。

はじめに、「導電性高分子」という新しい研究領域を開拓されたことが評価され、2000年にノーベル化学賞及び文化勲章を受賞された筑波大学名誉教授 白川英樹先生は、ご自身の幼少時のエピソードを紹介され、「実物を見る」「本物で学ぶ」「自然に学ぶ」ことの大切さをお話しされました。また、三内丸山遺跡の建造物を例に人は自然から学び文明を発展させたこと、その自然は我々の身近のどこにでもあることを紹介されました。

続いて、チャタテムシの一族の交尾器がオスとメスで逆転していることを発見したことが評価され、2017年にイグ・ノーベル賞を受賞された北海道大学大学院准教授 吉澤和徳先生は、「およそ100万種類の昆虫には同じ数の生態があり、中には我々の常識を覆す生物がいる」と紹介されました。

白神自然環境研究センター長 中村剛之教授は、白神山地は東アジアで最大のブナ林でほぼ手つかずの状態であり、まだ何かあるのではないかという神秘性と奥深さがあること、それを知るには専門ガイドや観察会に参加することが必要であることを紹介されました。

当日は、教職員や学生の他、一般市民ら約200名以上が参加し、3名の先生それぞれの「自然に学ぶ」ことの大切さに耳を傾けました。