教員紹介

食料資源学科 食料バイオテクノロジーコース

DINH THI LAM 助教

DINH THI LAM

専門分野:
作物生理学

  • キーワード:
  • リン欠乏耐性
  • イネ
  • QTLs
  • 品種改良

研究内容

作物が困難な環境に耐性を持つ遺伝的および生理科学的メカニズムの理解をするための研究を行なっています.ゲノミクス,遺伝学,植物生理学を作物育種学と農学に結びつける機能ゲノムアプローチで品種改良します!

1.野生イネに由来する低リン酸耐性の遺伝的メカニズムを明らかにします

イネ栽培種(Oryza sativa)の祖先種である野生イネOryza rufipogonは多くの貴重な遺伝子を持っていると報告されています.その中には,酸性土壌地帯において適応するための遺伝子もその1つです.その耐性を栽培品種,IR64に戻し交雑して酸性土壌耐性であるAS996が育成されています.

AS996の低リン酸耐性の遺伝子のマッピング

AS996の低リン酸耐性の遺伝子のマッピングについては,最新ゲノム配列解析およびQTL解析を利用します.効率的リン酸吸収システムを解明することは作物の能力を飛躍的に高めることになります.

2.根の根圏解析および低栄養圃場に適したイネの選抜

イネの2種類の側根(S-typeとL-type)

イネの2種類の側根(S-typeとL-type)は、栄養素と水の吸収に寄与すると予想され、これらの側根の密度と長さの遺伝子型の変化は、栄養素と水が制限された環境への適応を強化するためにイネの改良に利用できます。

3.品種改良など

F3世代に果皮の色と香りの分離

F3世代に果皮の色と香りの分離。
(Photo by Le Thanh Phong- research partner in CCI, Vietnam)

ベトナムのアンザン大学の気候変動研究所との共同研究を進めています.近年,メコンデルタで発生する予測不可能な洪水に適応した浮きイネの食味改善を目的としています.Genotype By Sequencing (GBS) により香気やアミロース含量を制御するQTL形質を同定する研究です.

また,不良環境に適応するためのイネ育種を進めており,日本でのイネ育種やアフリカなど海外のイネ育種の研究も進めています.

アフリカ特定地域の低栄養圃場に適したイネ系統の選抜

アフリカ特定地域の低栄養圃場に適したイネ系統の選抜

2023年4月10日 更新
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