教員紹介

食料資源学科 食品科学コース

樋口 智之 准教授

HIGUCHI Tomoyuki

専門分野:
食品加工・製造学

  • キーワード:
  • n-3系脂肪酸
  • ミズダコ内臓
  • 昆虫食

研究内容

私たちの研究室では、未・低利用食資源の付加価値を見出し、有効利用へつなげることをテーマに研究しています。

◎ミズダコの未・低利用部位に含まれる脂質の特性に関する研究

図1. ミズダコ消化器の一部(左)とエラ(右)

図1. ミズダコ消化器の一部(左)とエラ(右)

ミズダコは全長3~5m、体重10~50kgになる巨大なタコで、北日本ではよく食べられています。筋肉である腕や外套膜が主に利用されていますが、内臓が食される機会は少なく、多くが廃棄されています。本研究では、内臓は食品として利用価値を明らかにするために、特に脂質に注目して研究をしています。一般に水産物の脂質にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といったn-3系多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれていますが、我々の分析でミズダコにもこれらの脂肪酸が多く割合で占められていることを明らかにしました。ミズダコ内臓はほかにも有用な成分が含まれている可能性があり、ミズダコ内臓の可能性を探究しています。

◎トノサマバッタの食品としての利用法に関する研究

私たちはタンパク質源を主に獣鳥魚肉類に大きく依存していますが、世界的な人口増加や気候変動によって、今後は充分な供給が得られない可能性があると言われ、代替タンパク質として食用昆虫、培養肉、植物肉等が注目されています。中でも最近は食用昆虫を見かける機会が増え、様々な議論を呼び起こしています。私たちは昆虫が食利用としてどのようなポテンシャルを有しているかを検討し、将来食料危機が生じた際に代替食品の選択肢となることができるかを明らかにするために注目しています。現在はトノサマバッタを研究対象としており、有用な栄養機能を有した成分を探索し、タンパク質源としてのみならず、生活習慣病の予防や健康の維持・増進に資する機能性食品および機能成分の抽出原材料としての利用について検討しています。

◎アカガイの鉄供給食品としての利用の可能性に関する研究

図2. アカガイ軟体部

図2. アカガイ軟体部

アカガイ属に属するアカガイ、サルボウガイおよびハイガイの体液はヘム鉄が結合したエリスロクルオリンによって酸素が運搬されます。アカガイは他の貝類と異なってヘム鉄を持っていますが、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて鉄の腸管吸収率が高いことが知られています。そこでアカガイを鉄供給食品として利用可能かについて研究しています。アカガイやサルボウガイが広く食されるには、さまざまな料理や加工食品への応用が有効を考えています。これまではアカガイを加熱、pHの変化、食品添加物の共存といった処理をすることによってヘム鉄含量がどのように影響するかについて調べています。

2023年6月26日 更新
このページのトップへ戻る