教員紹介
国際園芸農学科 園芸農学コース
小早川 紘樹 准教授
KOBAYAKAWA Hiroki
専門分野:
作物学
- キーワード:
- 作物生産
- 環境変動
- 収量
- 品質
- イネ
- ダイズ
研究内容
1.環境変動への作物の応答
〇高温による白未熟粒の発生
地球温暖化の進行に伴い、日本の主要作物であるイネに白未熟粒という白濁部位のある粒が発生するようになってきています。これはデンプンの蓄積不良によるもので、白未熟粒の発生は品質の低下を意味します。青森県は日本でも冷涼な地域ですが、将来的には白未熟粒の発生が起こる可能性があります。そこで、私たちの研究室では、イネの収量や品質が高温により受ける影響を調査し、同時に高温障害を防ぐ方法を検討しています。
(関連する業績 https://doi.org/10.14829/jcsproc.254.0_93)
〇集中豪雨の増加による作物の浸水被害
近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯などといった言葉を以前より多く聞くようになったのではないでしょうか。集中的な豪雨は農地の浸水を引き起こし、湿害に弱いダイズやソバなどに多くの農業被害をもたらしています。このような被害を防ぐためには、まず被害がどのようにして起こっているのか明らかにする必要があるため、私たちの研究室では、ダイズやソバと浸水の関係性を生理的に調査しています。
(関連する業績 https://doi.org/10.14829/jcsproc.253.0_100)
2.作物生産の増産や新しい利用方法
〇亜リン酸肥料による作物増産の可能性
青森県はダイズを多く生産する県の1つですが、単収が低いことが大きな問題となっています。そこで、私たちの研究室では亜リン酸肥料を使うことで収量を増やすことができるのではないかと思い、研究を行っています。亜リン酸肥料は土ではなく、葉に散布する肥料で、従来のリン肥料がかかえる問題点を克服した新しいタイプの肥料です。
(関連する業績 https://doi.org/10.14829/jcsproc.253.0_34)
ダイズに亜リン酸肥料を散布しているところ
〇未利用セルロース資源の利用
青森県では稲を多く生産しており、毎年稲わらがたくさん余っている現状があります。稲わらは食べることはできませんが、セルロースを多く含んでいるので、そのセルロースをバイオマスエネルギーとして利用できれば、未利用資源の有効活用に繋がります。私達の研究室では、青森県で生産されるイネの稲わらをセルロース資源として利用するための基礎的研究を行っています。