教員紹介

食料資源学科 食品科学コース

西塚 誠 准教授

NISHIZUKA Makoto

専門分野:
食品化学物質安全学

  • キーワード:
  • がん
  • 転移
  • EMT
  • メラニン合成
  • ニンニク成分

研究内容

がんは日本人の死亡原因の第1位であり、現在、年間100万人近くが新たにがんと診断されていると推定されます。早期診断や治療法の進歩により、がんが原発巣に限局する時の治癒率は高くなってきましたが、がん細胞の他臓器への転移は完治への大きな妨げとなります。そのため、がん制圧のためにはがん細胞の転移を如何に抑制するかが非常に重要な喫緊の課題です。

がん細胞の転移には、原発巣からの離脱、細胞外基質への浸潤、血管内への侵入、標的臓器への生着と再増殖、といった複数のプロセスが必要です。この過程には、上皮細胞形態のがん細胞が間葉系形態へと変化する上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition, EMT)という大きな細胞形態の変化が必要であると考えられています(下図)。近年、EMTはがん細胞の浸潤や転移だけでなく、抗がん剤に対する抵抗性惹起にも寄与することが明らかになっています。

西塚 誠

我々の研究室では、がん細胞の転移の分子機構を明らかにするため、EMTの制御メカニズムを解明することを目指し研究を進めています。この研究をより発展させ、がん細胞の転移を抑制する新しい創薬の開発につなげたいと考えています。

がん細胞に関する基礎研究と創薬開発に興味がある方は一度研究室に遊びに来てください。

<研究テーマ>

当研究室では、がん細胞の転移機構の解明を中心に、以下の項目について、細胞レベルならびにマウスを用いた個体レベルの研究を行っています。

  1. がん細胞のEMT制御機構の解明
  2. メラニン合成の分子機構の解明
  3. 関節リウマチの予防、治療につながる食品成分の探索

<最近の主要論文>

  1. Satoh K, Sakai S, Nishizuka M.
    Knockdown of RhoQ, a member of Rho GTPase, accelerates TGF-β-induced EMT in human lung adenocarcinoma.
    Biochem. Biophys. Rep. 2022, 32: 101346
  1. Nozaki M., Nishizuka M.
    Repression of RhoJ expression promotes TGF-β-mediated EMT in human non-small-cell lung cancer A549 cells.
    Biochem. Biophys. Res. Commun. 2021, 566: 94-100
  1. Nishizuka M., Komada R., Imagawa M.
    Knockdown of RhoE Expression Enhances TGF-β-Induced EMT (epithelial-to-mesenchymal transition) in Cervical Cancer HeLa Cells.
    Int. J. Mol. Sci. 2019, 20: E4697
  1. Goto M, Osada S, Imagawa M, Nishizuka M.
    FAD104, a regulator of adipogenesis, is a novel suppressor of TGF-β-mediated EMT in cervical cancer cells.
    Sci Rep. 2017, 7:16365.
2023年2月21日 更新
このページのトップへ戻る