教員紹介
国際園芸農学科 園芸農学コース
田中 紀充 准教授
TANAKA Norimitsu
専門分野:
果樹園芸学
- キーワード:
- リンゴ
- 果実成長
- 花芽分化
- 変形果実
- 単為結果
研究内容
研究分野:果樹園芸学
園芸学に分類される果樹園芸学。研究フィールドが北東北にあることから、寒冷地落葉果樹について研究しています。その中でもリンゴの結実、花芽・花器官形成について研究を行っています。リンゴのような果樹は永年性植物で10年、20年、30年と長い期間、毎年のように結実を維持していかなければなりません。リンゴ栽培にとって重要なことは花を咲かせ、果実を生産することです。リンゴは自家不和合性で自己の花粉では結実せず、他品種の花粉が受粉することで果実が発達します。また、果実数が多いほど翌年の花芽形成を抑制し、成り年と不成り年の隔年結果を引き起こします。栽培的な視点および遺伝子制御の視点から研究を進め、リンゴの果実成長および花芽形成のバランスについて解明することでリンゴの安定生産に貢献することを目的に研究を行っています。
研究内容
1.リンゴの果実成長に及ぼす外部環境および内性要因の解明
リンゴ生産量が第1位の‘ふじ’は変形果実の発生が顕著になり、商品価値のない果実が大量に発生している状況です。従来は変形を防ぎ整形な果実に肥大させるには、5本の柱頭すべてに十分な受粉を行い、5子室すべてに種子を形成させる必要がありました。しかし、これまでの調査により子室に種子が均等に入らない偏った種子形成だけでは果実の変形を説明できないことが判明しました。果実成長の形態的調査および果実肥大と温度、水ストレス、植物成長調節物質等の生理的刺激との関係を明らかにすることで、変形果発生機構を解明し、良好なリンゴ生産に貢献したいと考えています。
2.リンゴの花芽形成に関する研究
リンゴは木本植物で永年性果樹に分類され、花芽分化が開始されるまでの栄養生長期間(幼若期間)が長く、果実を収穫するまでには多くの年月を要します。リンゴはモデル植物のシロイヌナズナやイネなどの草本植物とは異なり、数十年と樹体を維持し、果実を毎年安定的に収穫しなければならず、翌年の花芽形成には当年開花後の摘花、摘果および受光環境の影響が大きいことがあげられます。リンゴは果実数が多いほど翌年の花芽形成が抑制され、成り年と不成り年の隔年結果を引き起こします。果実生産と花芽分化を調査することにより種子形成、果実生産および花芽形成のバランスについて解明したいと考えています。