2012年09月03日 | トピックス
本学部分子生命科学科細胞工学講座(石黒誠一教授)の卒業生である尾崎拓君
(現在は弘前大学大学院医学研究科眼科学講座・助教)が、有効な治療法が確立され
ていない目の難病「網膜色素変性症」の治療薬の候補を発見し、国際的な科学雑誌
「バイオキミカ・バイオフィジカ・アクタ(BBA)」電子版に掲載された。

また本発見は、東奥日報8月15日号と陸奥新報8月20日号
(電子版:http://www.mutusinpou.co.jp/news/2012/08/22646.html)にも
掲載され、多くの一般市民からの関心の深さが伺われる。

今回発見した治療候補薬とはミトコンドリアカルパインを特異的に阻害する
ぺプチドのことで、本疾患モデルラットへの硝子体投与のほか、点眼投与に
よっても網膜変性に対する抑制効果が示された。

尾崎君は本大学院および岩手大学大学院連合農学研究科(弘前大学所属)に進学
し、博士号取得後は本学の特別研究員として3年間研究を継続し、本年4月より本学医
学研究科眼科学講座(中澤満教授)の助教に採用され、現在でも「ミトコンドリアカ
ルパイン」に関する研究を続けている。

尾崎君は「学部3年生から現在まで約10年もの間、楽しみながらも辛抱強く同じテーマ
で研究を継続してきた事が今回の研究成果につながった。さらに研究に関して右も左も
分からなかった私にどんなに忙しい時でも丁寧にじっくり指導してくれた石黒先生には
感謝してもしきれない。」と話している。
このように本学部から多くの素晴らしい人材が巣立ち、社会で活躍することを期待している。
 

陸奥新報 平成24年8月20日掲載
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東奥日報 平成24年8月15日掲載
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