教員紹介

生物学科 基礎生物学コース

黒尾 正樹 教授

KURO-O Masaki

専門分野:
分子細胞遺伝学

  • キーワード:
  • 鳥類
  • 両生類
  • mtDNA
  • 染色体
  • in situ hybridization

研究内容

様々な分類群に属する生物のゲノムの構成を、染色体レベルの解析を主な手法とする細胞遺伝学的見地、およびDNAの解析を主な手法とする分子遺伝学的見地から解析している。

1.チョウゲンボウの分子遺伝学的・生態学的研究

チョウゲンボウ(Falco tinnunculus)は、比較的個体数の少ないハヤブサ目の鳥類であるが、今日まで分子遺伝学的研究はほとんど行われてこなかった。そのため、生息数、詳細な生態、遺伝学的構造などは謎のままだった。これらを解明するために、生態を詳細に観察するとともに、羽毛やペリットを採集して、ミトコンドリアDNAのシトクロームb遺伝子およびコントロール領域の塩基配列を解析し、母系関係を明らかにするとともに、核ゲノムのマイクロサテライトDNAの9遺伝子座を解析し、遺伝的構造を解明してきた。その結果、チョウゲンボウは血縁関係の個体がつがいを形成することが多く、あまり長い距離を移動せずに繁殖していることが明らかになりつつある。

図1.チョウゲンボウのヒナ

図1.チョウゲンボウのヒナ

2.両生類の分化に関する分子細胞遺伝学的研究

主にアジアからヨーロッパにかけて分布する有尾目を対象として,それらの系統関係や種分化の過程の推定を試みている。染色体レベルでの分析は未だ充分とは言えないが,得られる情報に限界があるため,核及びmtDNAの塩基配列の分析結果に染色体分析や形態分析の結果を組み合わせて、総合的な系統類縁関係の解析を行っている。

図2.アジア大陸に生息するサンショウウオのR-バンドによる核型

図2.アジア大陸に生息するサンショウウオのR-バンドによる核型

3.アホウドリの遺伝的多様性に関する分子遺伝学的研究

国の特別天然記念物で国際保護鳥でもあるアホウドリの遺伝的多様性の程度を,ミトコンドリアDNAの特定の領域の塩基配列を分析することによって解明する試みを行っている。この種は著しく個体数が減少したので,遺伝的多様性や環境変化への適応力の低下が懸念されているが、本研究で、遺伝的多様性が非常に高いことが判明している。

図3.アホウドリのつがいの求愛ディスプレイ(伊豆諸島鳥島にて,撮影:長谷川 博 博士)

図3.アホウドリのつがいの求愛ディスプレイ(伊豆諸島鳥島にて,撮影:長谷川 博 博士)

2023年2月21日 更新
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