教員紹介

分子生命科学科 生命科学コース

姫野 俵太 教授

HIMENO Hyouta

専門分野:
生化学・分子生物学

  • キーワード:
  • リボソーム
  • タンパク質合成
  • ストレス応答

研究内容

細胞内の構造体であるリボソームは数種類のRNAと数十種類のタンパク質からなる分子量250万の超分子複合体であり、そこでは、数十種類のRNAと数十種類のタンパク質が出入りするという複雑な過程を経ることで、「遺伝情報に基づいたタンパク質の合成」が行われています。本研究室では、この巨大かつ複雑きわまりないRNAマシーン上で行われる数々の未知反応を明らかにし、それらの反応を分子・原子のレベルで明らかにしていくことを通して、リボソームの分子機能・分子機構ならびに分子構築の原理を明らかにしていきます。また、細胞における未知のリボソームの機能について明らかにしていきます。

図1

1.tmRNAによるトランストランスレーションの研究

トランストランスレーションは新しく提唱されたタンパク質合成における品質管理システムです。この反応は、一つのペプチドが2種のmRNAの切り替えにより生じる新しいタイプの翻訳機構であり、tRNAとmRNAのキメラであるtmRNAによって行われます。現在、実に奇妙なこの反応のメカニズムを分子レベルならびに細胞レベルで明らかにしようとしています。

図2図3

2.リボソームの生合成に関する研究

本研究では、精密な機能を持った巨大RNA-タンパク質複合体がどのようにして構築されていくかについての原理を明らかにしようとしています。

図4図5

3.浸透圧耐性に関わる新規のメカニズム

我々は、リボソーム生合成因子の欠損あるいは翻訳阻害剤によって細胞が浸透圧耐性を獲得することを明らかにしてきました。この現象のメカニズムを解明していくことを通して、新規のストレス応答機構の全容を明らかにしようとしています。

図6

2023年2月21日 更新
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