教員紹介

生物共生教育研究センター 藤崎農場

伊藤 大雄 教授

ITO Daiyu

専門分野:
農業気象学・果樹園芸学

  • キーワード:
  • リンゴ
  • 栽培技術
  • 光合成
  • 物質生産
  • 微気象
  • 炭素収支

研究内容

気候変動で21世紀後半のリンゴ園に何が起こる?

写真1のように,①屋外と同じ気温と二酸化炭素濃度のA棟,②屋外より気温が3℃高いB棟,③屋外より気温が3℃高く二酸化炭素濃度が150ppm高いC棟,の3つの温室を建設して棟内でリンゴを栽培し,21世紀後半に想定される高温あるいは高二酸化炭素環境下でリンゴ樹の成長,リンゴ果実の収穫時期や品質,光合成,リンゴ園の炭素動態などがどのように変化するのか,徹底的に調査しています。学外,学部外を含む8人の研究者による共同研究です。

写真1

写真1

リンゴを平棚で栽培する

平棚栽培は,全ての作業で脚立が不要となり,管理作業の効率化や軽労働化が期待できます。しかしリンゴを平棚で栽培すると,樹勢が強くなりすぎて徒長枝が乱立する懸念があります。そこで様々な品種・台木のリンゴ樹を様々な密度で平棚栽培し,仕立て方や剪定を工夫しながら,安定的な良質・多収を目指して実証的な実験を続けています(写真2)。

写真2

写真2

リンゴの光合成を樹1本,あるいは園地丸ごと計測する

圃場のリンゴ樹1本を丸ごとアクリル板とポリオレフィンフィルムで囲み,光合成速度を測定しています(写真3)。年によって供試樹の着果数を変えたり,30%程度遮光したりしながら,様々な条件下で光合成速度の実態を調べます。

また,写真4のタワーをリンゴ園内に建設し,微気象観測を通じてリンゴ園に出入りする二酸化炭素の量を測り,園地全体の光合成活動を見積もる研究を10年間続けました。

写真3

写真3

写真4

写真4

2023年2月21日 更新
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