弘大アップルビーフ
この1.5万トンのリンゴ粕を全てリサイクルできれば一般の混合水準で約2000頭の肉牛を飼育することができます。
金木農場では、1970年代からリンゴ粕混合飼料の良質発酵、長期貯蔵性、嗜好性および消化性向上などの調製給与技術に関する研究を行って来ました。
近年、地域特産資源の飼料利用による県産牛肉ブランド化を推進するために、ホルスタイン雄、日本短角種および黒毛和種牛にリンゴ粕混合飼料を長期間給与し、産肉能力および肉質評価実験を実施しています。
アップルビーフの特徴
リンゴ粕は家畜の嗜好性に優れ、産出後フレコンバッグで貯蔵・流通する際、自然にアルコールが2~4%程度生成されます。
弘大アップルビーフ肥育牛は1日平均日本酒一升瓶2本に相当するアルコールを摂取しています。
アルコールは中枢神経機能に対し抑制的に作用し、密飼いや長時間繋留のストレスを緩和する効果があり、リンゴ粕を含む飼料の長期摂取が肉質改善に寄与しています。
弘大アップルビーフの肥育方法
「弘大アップルビーフ」は、黒毛和牛にリンゴ粕を含む専用飼料を長期間与えて生産した高級牛肉です。飼料はもちろんのこと肥育開始前の子牛の選抜から飼育環境に至るまで厳しい管理のもとで飼育されています。
肉のおいしさと安全性を追求した「弘大アップルビーフ」は、肥育開始から出荷までの肥育期間の全過程で、自家開発したリンゴ粕を含む専用飼料を給与しています。
この専用飼料は主成分のリンゴ粕に非遺伝子組み換えのトウモロコシ、フスマ(コムギの皮)、大豆粕および細かく裁断した稲ワラを混合したものを密封し、長期間発酵した飼料です。飼育環境も、広くて通気性の良い専用牛舎で、牛にとってストレスがなく、快適な飼育空間作りに配慮しています。
牛品種 | 黒毛和種去勢雄牛および未経産雌牛 |
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使用飼料 | リンゴ粕を主成分とした自家調製発酵TMR専用飼料 |
給与方法 | 不断給与による自由採食 |
給与期間 | 肥育全期間(約20月間) |
弘大アップルビーフブランド化への取り組み
弘大アップルビーフは地域ブランド化を目指して2011年2月に商標登録を行いました。
同年6月には「弘大アップルビーフ特別生産牛舎」も完成し、牛舎内の換気設備などに太陽光発電を使用するなど自然エネルギーを利用した生産にも取り組んでいます。
今後も地域の生産者や企業の皆様と協力しながら研究を展開し実用化に向けた実証研究を続けていく予定です。
活動内容一覧
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農場実習
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農学生命科学部の2年生を対象に農場実習を行っています。
農場実習
座学で得た知識と実習で得た体験を融合し、実学的な視点で地域社会や世界に貢献できる人材の育成を目指しています。
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研究活動
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センター専任の4人の教員を核として、藤崎農場では園芸学を、金木農場では作物学、畜産学を中心とする研究活動を行っています。農学生命科学部の教員との連携はもちろん、他大学の教員や企業との共同研究にも積極的に取り組んでいます。
研究活動
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農場イベント
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地域の皆さんにセンターでの教育・研究活動に対する理解を深めていただくため、春と秋に各農場で農場公開を行っています。また、公開講座、親子体験学習、栽培体験学習など生涯学習、食育に関する社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
農場イベント