研究活動
また、農場を利用した農学生命科学部教員や弘前大学の他学部の教員の研究も積極的に受け入れています。
さらに、日本国内はもとより海外の大学や各種機関、企業などとも積極的な共同研究を行い、フィールドサイエンスの拠点施設として地域から世界へと成果を発信し続けています。
ここでは専任教員の研究の一部を紹介します。詳しくは教員紹介のページをご覧ください。
1.気候変動によるイネ収量と品質の変化(姜)
そこで、イネ栽培期間中の気温の変化とイネ収量との関係を明らかにするため、本県の奨励品種と青森県以南で育成・栽培されるイネ品種を用いて気温の変化がイネの登熟歩合に及ぼす影響を中心に調査しています。
さらに、品質についても本県の奨励品種において気温の変化がどのような影響を及ぼすかについて調べています。
今後、北日本地域におけるイネの高温障害に対し、地域環境条件に合った対策法の確立にも取り組んでいきます。
姜 東鎮(教員紹介)
2.反芻家畜における食品残渣の飼料利用に関する研究(房)
食品残渣のほとんどは含水量が多く、栄養成分が偏っているため、家畜飼料としての利用されている割合はわずかです。
発酵TMR飼料(Total Mixed Rations、完全混合飼料)給与技術は、高水分食品残渣資源を、乾燥費用をかけずに効率的に給与できるため、食品残渣利用の新たな展開として期待されます。
資源循環型畜産業を構築するため、青森県で産出される様々な食品残渣のTMRサイレージの良質発酵および長期保存技術を研究するとともに、反芻(はんすう)家畜に給与し、嗜好性、栄養価、健康状態および畜産物の品質への影響を研究しています。
房 家琛(教員紹介)
弘大アップルビーフ
3.うまいリンゴを安心して作れるように
藤崎農場では様々な新しいリンゴの開発に取り組んできました。しかし、リンゴを開発しただけでは生産者は良いリンゴを作ることができません。
そこで、実際にリンゴを栽培する農場の技術職員と共同で、果肉の赤いリンゴ新品種の着色安定化技術の開発、コルク状の生理障害の発生防止法の開発、長期貯蔵技術による安定した周年供給体制の確立に関する研究などに取り組んでいます。
また、果肉の白いリンゴに対しても、美味しさの秘密の解明を行うとともに、生産者が収穫した美味しいリンゴを、美味しい時期に消費者に届けるシステムを確立し消費の拡大を目指しています。
リンゴ新品種
4.リンゴ園で使用する農薬を減らす(伊藤)
そこで2004年から、有機栽培でも使用が認められている例外的な農薬や資材だけを使ってどこまでリンゴが作れるのか実証的な実験を行い、各種資材や様々な管理作業が病害虫の抑制にどの程度有効に働くのか調べてきました。
今後は、農場内リンゴ園の一部区画で農薬を慣行の半分以下に減らし、減農薬栽培への展望を開きたいと考えています。
伊藤 大雄(教員紹介)
活動内容一覧
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農場実習
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農学生命科学部の2年生を対象に農場実習を行っています。
農場実習
座学で得た知識と実習で得た体験を融合し、実学的な視点で地域社会や世界に貢献できる人材の育成を目指しています。
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研究活動
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センター専任の4人の教員を核として、藤崎農場では園芸学を、金木農場では作物学、畜産学を中心とする研究活動を行っています。農学生命科学部の教員との連携はもちろん、他大学の教員や企業との共同研究にも積極的に取り組んでいます。
研究活動
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農場イベント
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地域の皆さんにセンターでの教育・研究活動に対する理解を深めていただくため、春と秋に各農場で農場公開を行っています。また、公開講座、親子体験学習、栽培体験学習など生涯学習、食育に関する社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
農場イベント