弘前大学 農学生命科学部附属 白神自然環境研究センター 白神山地で学び世界を見つめる

青森県を代表するカメムシ三選

ブログでは不定期で青森県の自然について紹介していく予定です。

最初となる今回は県内で一度はお目に掛かりたいカメムシを3種紹介します。

県産カメムシは秋になると家屋に侵入し嫌われる種が目立ちますが、良好な自然環境を反映する貴重な種もいます。

 

1. ハッコウダグンバイStephanitis (Stephanitis) hakkodasana Takeya, 1963(グンバイムシ科)

八甲田山で得られた標本をもとに新種として記載されたカメムシです。

ハクサンシャクナゲの葉裏に寄生します。

今のところ同山系にのみ知られています。

しかし、実際に固有種であるかは再検証の余地が残されています。

とはいえ、現状では青森でしか出会えないカメムシです。

 

2. ハイイロナガマキバサシガメNabis (Limnonabis) demissus (Kerzhner, 1968)(マキバサシガメ科)

国内では北海道と青森県でのみ確認されているカメムシです。

海岸に面した湿原に生息し、単子葉類の群落に見られます。

近縁の同属種とは草丈で棲み分けています。

県内では北海道ほど産地が多くありませんが、生息地での個体数は少なくありません。

本州では青森でしか出会えないカメムシです。

 

3. ヒウラカメムシParaholcostethus breviceps (Horváth, 1897)(カメムシ科)

日本では青森県で最初に発見されたカメムシです。

初報告の後、宮城県、福島県、茨城県からも記録されました。

低地の湿原に生息し、ヌマハリイなどに寄生します。

本県では内陸部をのぞいて決して珍しい種ではありません。

ですが、他県では産地が局限されています。

県内だからこそ簡単に出会えるカメムシです。

 

青森県の自然を代表するカメムシは他にも多数いますので、どこかで記事にするかもしれません。

その前に、他の生物について紹介することになりそうですが…。

今後の更新をお待ちください。

ページ上部へ戻る