気象・地象部門の活動内容
白神山地のブナ林は、冷涼で雨や積雪の多い白神山地の気候によって維持されています。
今後の地球温暖化により気候が変化して、近い将来、このブナ林が絶滅の危機に晒されるという予想があります。観察園において白神山地では、初めてとなる年間を通した気象や積雪の観測を行っています。今後長期にわたり観測を継続し、温暖化にともなう気候の変化と白神の生態系の変化との関係を見守っていきます。また、白神山地特有の地滑り地形や土壌、水質・水循環の研究も行っています。
担当スタッフご紹介
研究概要
地すべりと森との関係を探る
国内有数の隆起量と積雪量、そして脆弱な地層により、白神山地では、大小さまざまな地すべりが発生します。
これらは変化に富んだ微地形やさまざまな植生遷移の段階を生み出し、多様な環境を創り出す働きも持っていることから、地すべりの発生原因や危険個所を調べるだけでなく、そこでの植生の回復過程についても調査を行っています。
このような地生態学的研究によって、生き物と大地が互いに影響し合い形作られる森林の姿を明らかにしています。
土壌呼吸の疑似温暖化実験
森林の樹木は光合成を行うことから、森林は温室効果ガスの固定源として貴重な存在です。一方で、樹木の呼吸に加え森林の土壌中の有機物の分解(以下、土壌呼吸と呼ぶ)により森林生態系からは二酸化炭素が放出されており、温暖化が進行すると土壌呼吸量は急激に増大するといわれています。
白神自然観察園では、ヒーターにより擬似的に温暖化した環境を作り出す実験を行っており、地温1℃の上昇に対して土壌呼吸量約1割の増加が認められました。
フォトギャラリー
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研究詳細
弘前大学白神自然環境研究センターの気象・地象部内の研究詳細を随時更新いたします。