白神BioBlitzを取材した記事が陸奥新報(令和7年9月28日付)に掲載されました!
今回は126名が参加し、838種の生物が確認されました。
PDF形式はこちらになります。
当該記事は弘前大学HPでも紹介されています。
現在、報告書の出版に向けて結果を集計しています…。
専任教員の相馬が日本昆虫学会第85回大会で公開シンポジウム「小笠原昆虫研究への招待」と小集会「小笠原マイナー昆虫若手の会」に登壇しました。
公開シンポジウムでは200人以上にご参加いただきました。
小集会では約110人にご参加いただきました。
懇親会も大盛況でした。
本大会はシンポジウムも小集会もテーマが小笠原でした。
一般講演も小笠原を舞台にした研究が沢山ありました。
参加者の記憶に「第85回大会は小笠原」と刻み込まれたに違いありません。
センターの専任教員(相馬助教)が北日本の湿地に生息する昆虫に関する論文を出版しました!
書誌情報と解説を以下に示しました!
Souma, J. & Yamamoto, A. (2025) Taxonomic study of the subgenus Limnonabis of the genus Nabis (Hemiptera: Heteroptera: Nabidae: Nabinae: Nabini) from Japan, with description of N. (L.) marihygrophilus sp. nov. inhabiting estuarine wetlands in northern Japan. Journal of Insect Biodiversity, 69 (1), 21–38. https://doi.org/10.12976/jib/2025.69.1.2
ナガマキバサシガメ亜属Limnonabis Kerzhner, 1968(カメムシ目:マキバサシガメ科:マキバサシガメ属Nabis Latreille, 1802)は全北区から6種が記録されています。日本に分布する3種(ハイイロナガマキバサシガメN. (L.) demissus (Kerzhner, 1968)、タイワンナガマキバサシガメN. (L.) sauteri (Poppius, 1915)、オオナガマキバサシガメN. (L.) ussuriensis (Kerzhner, 1962))は湿地でのみ得られ、それぞれ異なる草丈の単子葉草本群落にのみ生息します。本亜属は北日本から1未同定種が知られるものの、分類学的研究が長らく停滞していました。本研究では、この未同定種を新種シオナガマキバサシガメ N. (L.) marihygrophilus Souma & Yamamoto, 2025として記載しました。シオナガマキバサシガメは宮城県に位置する北上川の河口付近の湿地で20世紀末に採集されています。しかし、東日本大震災の津波が植生に被害を与えた後の2020年代に得られていません。よって、宮城県では姿を消した可能性があります。他方で、北海道に位置する勇払川の河口付近の湿地で2020年代に生息が確認されました。本亜属の採集には真夏の湿地で単子葉類をスイーピングする必要があり、熱中症の危険があります。高湿度かつ日陰がない場所で鋼鉄枠の網を全力で振り続けると、瞬く間に体力を消耗します。北海道では適度に休憩を挟めば夕方まで活動できましたが、宮城県では1時間が限度でした。活動しやすい季節に発生しないことを恨むばかりです…。
ハイイロナガマキバサシガメNabis (Limnonabis) demissus (Kerzhner, 1968)
シオナガマキバサシガメ Nabis (Limnonabis) marihygrophilus Souma & Yamamoto, 2025
タイワンナガマキバサシガメ Nabis (Limnonabis) sauteri (Poppius, 1915)
オオナガマキバサシガメ Nabis (Limnonabis) ussuriensis (Kerzhner, 1962)
本論文については弘前大学HPにプレスリリースが掲載されています。
PDF形式はこちらになります。
北日本で実施したフィールドワークの成果は今後も公表予定です!
既に投稿済みの原稿もあるので、出版が楽しみです!
センターの専任教員(相馬助教)が世界自然遺産の小笠原諸島に固有の昆虫に関する論文を出版しました!
書誌情報と解説を以下に示しました!
オープンアクセスなので、リンク先から誰でも閲覧できます!
Souma, J. (2025) An illustrated key to the lace bugs (Hemiptera, Heteroptera, Tingidae) from “Oriental Galapagos” (the Ogasawara Islands, Japan), with descriptions of three new species of the endemic genus Omoplax Horváth, 1912. Zookeys, 1250, 243–284. https://doi.org/10.3897/zookeys.1250.160064
小笠原諸島のグンバイムシ科(カメムシ目)には、2固有属(ムニングンバイ属Acanthomoplax Souma & Kamitani, 2021とオガサワラグンバイ属Omoplax Horváth, 1912)に含まれる5種(ムニングンバイA. tomokunii Souma & Kamitani, 2021、オガサワラグンバイO. desecta (Horváth, 1912)、カルベグンバイO. karubei Souma, 2022、チチジマグンバイO. majorcarinae Guilbert, 2001、ムコジマグンバイO. mukojimensis Souma, 2022)が知られていました。本研究では、同諸島での徹底的なフィールドワークで発見された3新種(ハハジマグンバイO. hisasuei Souma, 2025、イヌグスグンバイO. inugusu Souma, 2025、コブガシグンバイO. kobugashi Souma, 2025)を記載しました。結果として、同諸島から8固有種の本科が確認されました。さらに、ムコジマグンバイをのぞく7種で寄主植物を特定しました。形態的特徴が近似する複数種では、寄主植物が同種または近縁種の樹木で、異所的分布が判明しました。シマシャリンバイに寄生する2種では分布域が植物の空間的遺伝構造と一致しました。キンショクダモを寄主植物とする2種でも同様の状況でした。同諸島の本科は海洋島の固有昆虫を材料とした種分化研究に格好の材料と考えられます。他方で、多くの外来生物が同諸島の固有生物の脅威となっています。今後の保全研究に資するため、本科への影響が懸念される外来生物と各種の生息状況について議論しました。同諸島に分布する本科は有人島で採集が困難または不可能な種が存在します。避けて通れなかった無人島でのフィールドワークは貴重な経験となりました。実質的な崖登りに耐え抜いて同諸島の最稀種であるムニングンバイに巡り会えた際の興奮は記憶に刻まれています。傭船で波に揺られて外洋を渡ったのもスリリングな思い出です。まだ見ぬ無人島を目指しつつ、新知見を狙う研究ライフを継続する所存です。いつか驚くべきカメムシに出会えると信じて…。
ハハジマグンバイOmoplax hisasuei Souma, 2025
イヌグスグンバイOmoplax inugusu Souma, 2025
コブガシグンバイOmoplax kobugashi Souma, 2025
本論文については弘前大学HPにプレスリリースが掲載されています。
PDF形式はこちらになります。
日本昆虫学会でのシンポジウムと小集会を2週間後に控えた最高のタイミングで論文が公表されました!
青森在住を活かしたあのカメムシの原稿が受理されたので、近いうちに研究成果を再びお知らせします!
専任教員の相馬が日本昆虫学会第85回大会で公開シンポジウム「小笠原昆虫研究への招待」に登壇します。
開催時刻は9:30~12:00で、Zoomで配信を視聴することもできます。
本シンポジウムは小笠原諸島での研究に昆虫学者の参画を促すため立ち上げられました。
招待演者として小笠原諸島の固有カメムシについて発表します。
現在進行中の研究プロジェクトや先日出版された固有グンバイムシ8種の論文についてお話しします。
興味のある方はお聴きいただければ幸いです。
本日は弘前大学のオープンキャンパスが開催されました。
昨年に引き続き今年も模擬講義を実施しました。
BioBlitz は国内では馴染みの少ないものと思いますが、欧米を中心に博物館などが主催で行われている市民参加型の生物調査イベントです。
動植物の専門家と子供を含む市民が一緒に、決められた地域の動植物を24 時間かけて調査します。調査結果は報告書にまとめられ、出版されます。このイベントの狙いは、
・地域の自然と奥深い生物の種多様性を知る。
・動植物の研究者と接し、専門的な知識や技法を知る。
・市民が記録の残る調査活動に参加する。
・単純に、自然に触れ、生き物を知る事を楽しむ。
一般的な観察会や散策とはちょっと違う自然との新しい接し方を楽しみましょう。
会場:青森県深浦町 アオーネ白神十二湖
当日は現地集合。自家用車でお越しください。
日時:2025 年9月27日午前10:00 〜
9月28日午前11:30(24 時間調査)
募集:小学生以上 50名
(調査経験不問。小中学生は保護者と一緒に参加してください)
応募締め切り7月31日 参加者発表8月5日
(応募者が多数と見込まれるため,抽選を行います)
専門家スタッフ
弘前大学教員、外部研究者のほか、津軽植物の会、津軽昆虫同好会、白神キノコの会、弘前大学フィールドサイエンス研究会、日本野鳥の会弘前支部、コウモリの保護を考える会などに参加を打診中。
参加を希望される方は、下記URL から「一般参加申し込みフォーム」に入り、必要事項にお答えください。
https://forms.gle/fhVyxBYuhKbebVyU7
詳細はこちらのPDFをご覧ください。
白神自然観察園は2025年6月3日(火)より開園の予定です。
〒036-1424
青森県中津軽郡西目屋村川原平101-1
TEL:0172-85-2008
休館日 毎週月曜日(12月~4月は雪のため閉鎖となります)
〒036-1411
中津軽郡西目屋村田代神田