白神自然観察園は2024年11月22日(金)より冬季閉園の予定です。
2025年の開園予定日は決定次第お知らせします。
白神自然観察園は2024年11月22日(金)より冬季閉園の予定です。
2025年の開園予定日は決定次第お知らせします。
先日の投稿で告知した講演会「小笠原のカメムシ」を小笠原世界遺産センターで開催しました。
小笠原村の掲示板や防災行政無線でも詳細な日時を告知していただきました。
当日は現地で採集した固有カメムシ7種の生体を会場に用意しました。
会場とオンラインを合わせて約160人にご視聴いただきました。
ニッチな話題ながら想像以上に盛り上がり安堵しています。
今回は世界自然遺産でも白神山地ではなく小笠原諸島を話題にします。
9月25日(水)に環境省の小笠原世界遺産センター主催で講演会「小笠原のカメムシ」を開催します。
開催時刻は19:00~20:30で、Zoomで配信を視聴することもできます。
興味のある方はお聴きいただければ幸いです。
センターの専任教員(相馬助教)が執筆した筆頭論文がZootaxaより出版されました!
書誌情報と解説を以下に示しましたので、興味のある方はご覧いただければ幸いです!
Souma, J., Takahashi, Y., Aiba, H. & Aida, M. (2024) Discovery of the fossil true bug species Urochela (Urochela) cf. melaina Zhang, 1989 (Hemiptera: Heteroptera: Urostylididae) from Japan, suggesting a wide distribution of the U. (U.) quadrinotata (Reuter, 1881) species group in East Asia in the past. Zootaxa, 5507 (4), 589–596.
https://doi.org/10.11646/zootaxa.5507.4.6
クヌギカメムシ科(カメムシ目)はアジアに8属172種が知られ、日本から2属6種が記録されています。最近の分子系統学的研究では種多様性が高いナシカメムシ属Urochela Dallas, 1850、Urolabida Westwood, 1837、クヌギカメムシ属Urostylis Westwood, 1837が多系統であることに加え、交尾器形態により提案された種群の一部が単系統であることが示されました。したがって、各属の再定義と分岐年代推定を含む本科の再検討には単系統群の化石記録が重要な状況です。本研究では、佐渡島に位置する前期中新世の真更川層から発見された本科の化石を単系統のヨツモンカメムシが含まれる種群U. (Urochela) quadrinotata (Reuter, 1881) species groupに所属するサドヨツモンカメムシU. (U.) cf. melaina Zhang, 1989と同定して報告しました。現生種のヨツモンカメムシU. (U.) quadrinotataが現在の日本列島にも分布することから、本種群が長期間にわたり国内に分布していることが示唆されました。日本のカメムシ化石の研究はまだ発展途上ですが、今後も重要な発見が続くと信じています。
余談ですが、相馬が公表したすべての論文は解説が個人HPに掲載されています!
https://sites.google.com/view/junsouma/commentary
今後も研究成果の発信を定期的に行う予定です!
本日は弘前大学のオープンキャンパスが開催されました。
センターが参加するのは今回が初めてです!
活動を紹介する簡単な紹介コーナーを設置しました。
模擬講義も実施しました。
高校生からの質問も活発に飛び交い大盛況でした!
ブログでは不定期で青森県の自然について紹介していく予定です。
最初となる今回は県内で一度はお目に掛かりたいカメムシを3種紹介します。
県産カメムシは秋になると家屋に侵入し嫌われる種が目立ちますが、良好な自然環境を反映する貴重な種もいます。
1. ハッコウダグンバイStephanitis (Stephanitis) hakkodasana Takeya, 1963(グンバイムシ科)
八甲田山で得られた標本をもとに新種として記載されたカメムシです。
ハクサンシャクナゲの葉裏に寄生します。
今のところ同山系にのみ知られています。
しかし、実際に固有種であるかは再検証の余地が残されています。
とはいえ、現状では青森でしか出会えないカメムシです。
2. ハイイロナガマキバサシガメNabis (Limnonabis) demissus (Kerzhner, 1968)(マキバサシガメ科)
国内では北海道と青森県でのみ確認されているカメムシです。
海岸に面した湿原に生息し、単子葉類の群落に見られます。
近縁の同属種とは草丈で棲み分けています。
県内では北海道ほど産地が多くありませんが、生息地での個体数は少なくありません。
本州では青森でしか出会えないカメムシです。
3. ヒウラカメムシParaholcostethus breviceps (Horváth, 1897)(カメムシ科)
日本では青森県で最初に発見されたカメムシです。
初報告の後、宮城県、福島県、茨城県からも記録されました。
低地の湿原に生息し、ヌマハリイなどに寄生します。
本県では内陸部をのぞいて決して珍しい種ではありません。
ですが、他県では産地が局限されています。
県内だからこそ簡単に出会えるカメムシです。
青森県の自然を代表するカメムシは他にも多数いますので、どこかで記事にするかもしれません。
その前に、他の生物について紹介することになりそうですが…。
今後の更新をお待ちください。
センターに所属する学生2人の論文がJapanese Society of Systematic Entomologyより出版されました!
書誌情報を以下に示しましたので、興味のある方はご覧いただければ幸いです!
Tominaga, G. & Nakamura T. (2024) Studies on the brown lacewing genus Micromus Rambur, 1842 of Japan (Neuroptera: Hemerobiidae: Microminae), with a key to the Japanese species. Japanese Society of Systematic Entomology, 30 (1), 122–149.
https://zoobank.org/References/058FB9B8-E906-4A49-B435-C9B65136284C
Eguchi, K. & Nakamura, T. (2024) Descriptions of two new species and one newly recorded species of Bolitophilidae (Diptera: Sciaroidea) from the mainland of Japan. Japanese Society of Systematic Entomology, 30 (1), 113–121.
https://zoobank.org/References/E2BF612D-700B-4422-B43C-DF5B1775C351
教員も論文が投稿中の状態を常に維持しているので、今後は成果を紹介するかもしれません!
先月開催した白神BioBlitz 2024 in 西目屋村川原平をむしとりチャンネルさんの動画で紹介していただきました!
是非ご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=nXykQmAmYMI
全日程が無事に終了し、開催期間中に合計で904種の生物が確認されました!
昨年度から取り組み始めた「白神BioBlitz」のウェブサイトを公開しました。
【2024年度に白神自然観察園で開催されるBioBlitzのページ】
https://sites.google.com/view/shirakamibioblitz2024/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
【2023年度に白神の森 遊山道で開催されたBioBlitzのページ】
https://sites.google.com/view/shirakamibioblitz2023/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
2024年度のウェブサイトは情報が追加されるごとに随時更新します。
2023年度のウェブサイトは開催終了時の結果を見ることができます。
BioBlitz は国内では馴染みの少ないものと思いますが,欧米を中心に博物館などが主催で行われている市民参加型の生物調査イベントです。
動植物の専門家と子供を含む市民が一緒に,決められた地域の動植物を24 時間かけて調査します。調査結果は報告書にまとめられ,出版されます。このイベントの狙いは,
・地域の自然と奥深い生物の種多様性を知る。
・動植物の研究者と接し、専門的な知識や技法を知る。
・市民が記録の残る調査活動に参加する。
・単純に、自然に触れ、生き物を知る事を楽しむ。
一般的な観察会や散策とはちょっと違う自然との新しい接し方を楽しみましょう。
会場:青森県西目屋村川原平 弘前大学「白神自然観察園」
当日は現地集合。自家用車でお越しください。
日時:2024 年6月15日午前9:50 〜
6月16日午前10:30(24 時間調査)
募集:小学生以上 50名
(調査経験不問.小中学生は保護者と一緒に参加してください)
応募締め切り5月24日 参加者発表5月27日
(応募者が多数と見込まれるため,抽選を行います)
専門家スタッフ
林正美(埼玉大学名誉教授,昆虫),大原昌宏(北海道大学総合博物館,昆虫),渡辺恭平(神奈川県立生命の星・地球博物館,昆虫),古木達郎(元千葉県立中央博物館,植物),梅津一史(元秋田県立博物館,昆虫),木村啓(津軽植物の会),太田正文(元青森県立郷土館,植物),殿内暁夫(弘前大学,キノコ),中村剛之(弘前大学,昆虫),山岸洋貴(弘前大学,植物),森井悠太(弘前大学,軟体動物),ムラノ千恵(弘前大学,哺乳類),相馬 純(弘前大学,昆虫),このほか,津軽植物の会,津軽昆虫同好会,白神キノコの会,弘前大学フィールドサイエンス研究会など各グループの有志の皆さん.
申し込み方法等,詳しくはこちらのPDFをご覧ください.Bioblitz2024案内配布用
〒036-1424
青森県中津軽郡西目屋村川原平101-1
TEL:0172-85-2008
休館日 毎週月曜日(12月~4月は雪のため閉鎖となります)
〒036-1411
中津軽郡西目屋村田代神田