青森県つがる市の池から日本国内初記録となる水草Potamogeton ×angustifoliusが発見され,「ツガルモク」と名づけられました。国内の自生地が2ヶ所のみで確認されている希少種ガシャモクと,近縁種であるエゾヒルムシロの雑種です。2017年につがる市で発見された,ガシャモクが生育する池で発見されました。「ツガルモク」という和名は,発見地である津軽地方と親種であるガシャモクに由来しています。この水草は海外にも分布していますが,国内ではこの池が現在のところ唯一の自生地です。
この成果は,北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教(発見時新潟大学教育学部研究員),福島県いわき市在住の植物研究家である薄葉満氏,弘前大学農学生命科学部附属白神自然環境研究センターの山岸洋貴助教,および新潟大学教育学部の志賀隆准教授らによる共同調査によって明らかになりました。論文は,2020年3月17日に日本植物分類学会が出版する英文雑誌 Acta Phytotaxonomica et Geobotanica誌にオンライン掲載されました。この池からのガシャモクの発見(2017年),この池が国内屈指の水草の多様性・希少性を示すことの発見(2018年)に続く研究成果となります。
【本研究成果のポイント】
日本新産となる水草Potamogeton ×angustifoliusを青森県つがる市の池で発見しました。
2017年に発見された希少種「ガシャモク」と近縁種「エゾヒルムシロ」の雑種です。
発見地と片親であるガシャモクに因み,「ツガルモク」という和名を名付けました。
この池が今の所国内唯一の産地です。
これまでに発見されたガシャモクや多様な水草とともに,保全していく必要があります。