弘前大学 農学生命科学部附属 白神自然環境研究センター 白神山地で学び世界を見つめる

センターの専任教員が論文を出版しました!

センターの専任教員(相馬助教)が執筆した筆頭論文がZootaxaより出版されました!

書誌情報と解説を以下に示しましたので、興味のある方はご覧いただければ幸いです!

Souma, J., Takahashi, Y., Aiba, H. & Aida, M. (2024) Discovery of the fossil true bug species Urochela (Urochela) cf. melaina Zhang, 1989 (Hemiptera: Heteroptera: Urostylididae) from Japan, suggesting a wide distribution of the U. (U.) quadrinotata (Reuter, 1881) species group in East Asia in the past. Zootaxa, 5507 (4), 589–596.

https://doi.org/10.11646/zootaxa.5507.4.6

クヌギカメムシ科(カメムシ目)はアジアに8属172種が知られ、日本から2属6種が記録されています。最近の分子系統学的研究では種多様性が高いナシカメムシ属Urochela Dallas, 1850、Urolabida Westwood, 1837、クヌギカメムシ属Urostylis Westwood, 1837が多系統であることに加え、交尾器形態により提案された種群の一部が単系統であることが示されました。したがって、各属の再定義と分岐年代推定を含む本科の再検討には単系統群の化石記録が重要な状況です。本研究では、佐渡島に位置する前期中新世の真更川層から発見された本科の化石を単系統のヨツモンカメムシが含まれる種群U. (Urochela) quadrinotata (Reuter, 1881) species groupに所属するサドヨツモンカメムシU. (U.) cf. melaina Zhang, 1989と同定して報告しました。現生種のヨツモンカメムシU. (U.) quadrinotataが現在の日本列島にも分布することから、本種群が長期間にわたり国内に分布していることが示唆されました。日本のカメムシ化石の研究はまだ発展途上ですが、今後も重要な発見が続くと信じています。

余談ですが、相馬が公表したすべての論文は解説が個人HPに掲載されています!

https://sites.google.com/view/junsouma/commentary

今後も研究成果の発信を定期的に行う予定です!

ページ上部へ戻る